101. 愛|牧歌舎随々録|エッセイ倶楽部|自費出版-社史・記念誌、個人出版の牧歌舎

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牧歌舎随々録(牧歌舎主人の古い日記より)

101. 愛

 愛には、最も輝かしい瞬間がある。人間の歴史は、悲劇とともに、じつはそうしたものでも満ち満ちているはずである。それらは記録されず、当事者の記憶の中に当事者の生きている期間だけ存在し、当事者の死とともになんの痕跡もなく消え失せるのである。
 しかしながら、まぎれもなく存在した涙、笑顔は、「まぎれもなく存在した」という事実自体は永遠に消されることはない。なんの痕跡も、なんの証拠も、じつは不要である。

1999.08.14