112. 同国か同階級か|牧歌舎随々録|エッセイ倶楽部|自費出版-社史・記念誌、個人出版の牧歌舎

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牧歌舎随々録(牧歌舎主人の古い日記より)

112. 同国か同階級か

 人間がグループ化するとき、その根本条件は利害の一致ということだろう。そうすると、支配者階級は支配者階級で、被支配者階級は被支配者階級でそれぞれ別々のグループを作るのが自然の成り行きであろう。それなのに、日本人だとか中国人だとか国籍でのグループ分けに固執する人がいるのはどういうわけだろうか。元は確かに国籍が同じ者同士は国際的観点からすれば利害も当然のように一致すると考えられていたのだろうが、現在では必ずしもそうではないし、理論的にも国籍の同一性と利害の同一性は元来無関係の概念である。にもかかわらず、支配階級と被支配階級の同居する「国」を一つのグループと見ようとしたがるのは、いわば被支配階級の離脱を許さないための支配階級による「環境づくり」なのでもあろうか。

1999.10.21