113. 志の低さ|牧歌舎随々録|エッセイ倶楽部|自費出版-社史・記念誌、個人出版の牧歌舎

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エッセイ倶楽部

牧歌舎随々録(牧歌舎主人の古い日記より)

113. 志の低さ

 日本も核武装を検討すべきという政治家の発言を評価するという馬鹿がいた。ある会社の重役である。それも真剣に考えたあげくそういう結論に達したとかいうふうでもない。要するに面白がっているだけなのだ。国会議員があんな発言をしたからといって、本当に日本が核武装することもなければ、自分が核戦争に巻き込まれることもなかろうと思っており、不真面目なジョークとしてそういうことを言うのである。無論、左翼思想はきらいなのであって、それとのからみでの発言でもある。
 何を言うのかと思う。本人はただ金儲けのことだけにうろちょろと血道をあげて我欲のために生きてきただけの人生ではないか。たったそれだけの貧しい人生ではないか。そんな者にどんな見識があるというのか。いくばくかの自分の社会的成功を正当化するだけのために、体制側に思想を寄り添わせようとしているだけのご都合主義ではないか。
 つくづく思う。生活主義者は理想を捨て、理想主義者は生活を捨てるものであるのだと。

1999.10.21