130. 反体制ということ|牧歌舎随々録|エッセイ倶楽部|自費出版-社史・記念誌、個人出版の牧歌舎

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牧歌舎随々録(牧歌舎主人の古い日記より)

130. 反体制ということ

 反体制とまでいわないまでも、体制に批判的に生きようとする者は、常に経済的圧迫をはじめとする圧力を有形無形に受けることを覚悟しなければならない。それはいわば当然のことであるが、そのあたりが得てしてうやむやになり、反体制のはずの者が「体制的不満」で絶望したりなどすることが多いのである。
 いかほどかでも反体制の気概をもって生きようとする者は、体制がもたらす圧迫を受けることこそまさに本懐であり、そのことに歓喜を覚えるほどであらねばならぬ。圧力の加われば加わるほど、時代の最先端を行く者としてすがしい風を感じなければならぬ。そうでなく、生活の物質的貧しさに絶望したりするのは、まさに体制の圧力に心から屈服しているにほかならない。
 考えてみると、日本が貧しかった時代にはそういう人がたくさんいたのだが、豊かになればなるほど、そういう選択肢が注目されなくなっているのである。反体制でも今の方が格段に生きやすいにもかかわらず世の中がそのような傾向にあることは、なんとも興味深いことではある。

2000.03.07