148. 感情と観念|牧歌舎随々録|エッセイ倶楽部|自費出版-社史・記念誌、個人出版の牧歌舎

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エッセイ倶楽部

牧歌舎随々録(牧歌舎主人の古い日記より)

148. 感情と観念

 人間は感情の動物である。そしてその感情は現実に対してでなく観念に対して発動する。よく観察するとどうもそのようである。肉体的な苦痛や快感は感情ではない。例えば飢餓はつらい体験であるが、その「つらい」は実は肉体的な苦痛であって精神的な苦痛とはいえない。飢餓が精神的な苦痛となるのは、例えば食べ物を思い浮かべたり、それを食べている自分を思い浮かべてその観念が現実でないことを認識するときである。
 つまり、感情とは自らがもつある観念と現実とが接するときの化学反応のような精神活動と考えてよい。