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社史編纂・記念誌制作

社史目次の作り方

自社の社史にふさわしい「目次」を考えよう——「区切り」「くくり」

 社史の通史本文を作るにあたっては、まず「仮目次」というものを作ることになります。仮目次とは文字通り仮の目次ということですが、これについては奇妙なことのように思われるかもしれません。なぜなら、例えば小説などは、ある程度の構想や筋書きが出来上がったら、作家はインスピレーションに従って書き始め、そこからやはりインスピレーションによる手探りで書いていくものと考えられるからです。そのようにして作品が出来ていくので、初めから目次を作るというのはおかしいような気がするのも当然のことでしょう。

 しかし、社史の場合は、いつまでに完成させるという目標時期と予算が前もって決められているので、そこから内容の企画や、ページ数も決まります。

 ページ数が決まるとなれば、書く内容についてページ数の割り振りも前もって考えておかなければなりません。そこで、年表などの資料を頼りに、まず「章立て」ということをします。

 「章立て」というのは、いわゆる「章・節・項・目」という、見出しの大→小に並ぶ中の最大のものです(章の上に「編」や「部」があることもありますが、社史では例外にあたります)。

 全体を大きくいくつかの部分に分けて考えることを「章立て」と言うわけですが、そのやり方としては大きく分けて2通りが考えられます。
 それは「区切り」として章を立てるか、「くくり」として章を立てるかということです。

 どちらも、通常の、時系列で書いていく社史を前提として書いていますが、「区切り」としての章立ては、いわば物理的なものさしに基づくもので、例えば「30年史」の場合、

「第1章 昭和10年代」
「第2章 昭和20年代」
「第3章 昭和30年代」

というように10年ごとに区切ります。または、

「第1章 ○○社長時代(昭和10年〜18年)」
「第2章 △△社長時代(昭和18年〜27年)」
「第3章 □□社長時代(昭和27年〜38年)」

というように、社長の在任期間で区切る方法もあります。

 これに対して「くくり」としての章立てでは、

「第1章 町工場として創業(昭和10年〜16年)」
「第2章 戦時下の苦難から復興へ(昭和16年〜28年)」
「第3章 高度成長期の躍進(昭和28年〜39年)」

のように会社としての変化を時間的にくくります。あるいはさらに、

「第1章 ○○の特許を得て創業(昭和10年〜15年)」
「第2章 ○○機を活用して戦下を生き抜く(昭和15年〜25年)」
「第3章 ○○技術の向上を目指して(昭和25年〜31年)」
「第4章 米○○社との技術提携で飛躍(昭和31年〜38年)」

と技術的な発展を時間的にくくったりする場合もあります。

 「区切り」と「くくり」——「どう区切って、どうくくるか」あるいは「どうくくって、どう区切るか」は、「章」の下の「節」や「項」「目」でも考えていくべきことで、そうしたことを制作前に検討して作るのが「仮目次」なのです。

 何を頼りにどういう方針で作ればよいかを考える根本は「どういうやり方がわが社の社史にふさわしいか」ということです。

 これは、原稿作成を専門ライターに委ねる場合は、ライターが必死になって考えることです。社内外の関係者が書く場合には、同様のことを内部でしなければなりません。

 社史が出来てしまえば気付かれにくいのですが、仮目次づくりは社史がうまく出来たか否かの結果に大きく影響します。

 そのことをあらかじめ念頭に置いて制作作業にかかれば、途中で調整や変更をすることがあっても、全体としてうまくまとめる方向性を失いません。留意しておいていただきたいことです。