社史110番
スケジュールが立てられません
「いちおう企画は出来たのですが、まず何から手をつけてよいのか皆目分かりません。資料集めなどから始めるのだろうとは漠然と思っていますが、それから何と何と何と何ををどんな段取りでやっていけば予定の期日に社史が完成していることになるのか、見当もつかない状態です。どうやってスケジュールを立てればよいのでしょうか。」
お答え
社史や記念誌づくりのスケジュールを立てるためには、その過程において「どんな作業が必要か」、また、「それらの各作業にどれくらいの時間がかかるか」を知っておく必要があります。しかしそうはいっても、初めて社史を制作するという場合にそれらが分かっていることはありえませんので、以下に当社が制作のお手伝いをする場合の標準的な制作手順と日程表をお示しします。ちなみに、「資料集めなどから始めるのだろうと漠然と思っています」とのことですが、当社は基本的にそれとは違い、まず年表づくりから入ります。これが最もロスなく着手する方法と当社は考えています。
以下は当社など制作業者を活用する場合のスケジュールとなっています。ご了承ください。
一般的な制作手順
(A:発注側作業 B:受注業者側作業)
- 企画を立てる(A・B)
- 年表フォーマットをつくる
- 資料を収集する(内部資料はA、業界資料等はBも)
- 収集した資料から得た情報を年表フォーマットに書き込んで「原稿資料年表」を作成する(主にB)
- 取材を行う(B。Aも同席が望ましい)
- 取材や追加資料で得た情報を資料年表に追加する(B)
- 本文原稿を作成・準備する(B。またはA・B)
- オプション企画ページ(記念対談、記念座談会、OB寄稿、社員寄稿など)の準備をする(A)
- オプション企画ページの原稿を作成する(主にB)
- 図版掲載用資料、資料編掲載用資料を準備する(A)
- 資料編原稿および掲載年表の原稿を作成する(主にB)
- 巻頭挨拶、祝辞、編集後記の原稿を準備する(A)
- 装丁・レイアウトを行う(B)
- 校正刷りで確認する(A・B)
- 印刷製本する(B)
スケジュール例
(A:発注側作業 B:受注業者側作業 各○○年○○月の間は最低1カ月)
- ○○年○○月 企画の検討(A・B)。企画書・見積書提出(B)。同検討(A)。契約(A・B)。編纂委員会結成。資料年表作成開始(A・B)。写真等図版原稿準備開始(A)。資料収集開始(A・B)。企画ページ(座談会・対談・寄稿など)準備開始(A)
- ○○年○○月 定期打合せ開始(A・B)
- ○○年○○月 造本見本提出および本文レイアウト案提出(B)。同点検・承認(A。必要があれば修整(B))
- ○○年○○月 取材開始(B)。
- ○○年○○月 本文原稿作成作業開始(B)。書名決定(A)。
- ○○年○○月 写真等図版原稿・資料編用資料準備終了(A)。
- ○○年○○月 企画ページ準備完了(A)
- ○○年○○月 本文原稿完成、提出(B)。同確認・補整作業開始(A・B)
- ○○年○○月 本文原稿補整作業終了(B)。企画ページ原稿完成、提出(B)。同点検・承認(A。必要があれば修整(B))
- ○○年○○月 装丁・口絵レイアウト案提出(B)。同点検・承認(A。必要があれば修整(B))
- ○○年○○月 初校及び色校提出(B)。同点検・戻し(A)
- ○○年○○月 再校提出(B)。同点検・戻し(A)。
- ○○年○○月 三校提出(B)。同点検・戻し(A)。印刷製本開始(B)
- ○○年○○月 完成・納品(B)
以上をご参考ください。