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社史編纂・記念誌制作

   社史づくりの五原則など基本的なことについては「社史制作の5原則」からご覧ください→

社史110番

社史編纂にはどんな資料を集めればよいですか?

「社史を作るのは今回が初めてです。これまで会社としては社史制作をすることになるとはほとんど考えていなかったため、資料が非常に不備な状態です。これから鋭意集めていかなければならないのですが、そもそも社史編纂のための資料としてはどんなものがあるのでしょうか。」

お答え

 昔は社史を作るのは特別な大企業や国営企業などで、社史編纂といえば専従のセクションである「社史編纂室」を設けて日常的に資料保存をしていたものです。最近は会社規模にかかわらず社史制作は広く行われるようになりましたが、昭和20年代や30年代、40年代の創業期やその後の発展期にはまだ社史の編纂など念頭にもなかったというケースが大半なので、どうしても資料が不足がちで、ご相談を受けることがよくあります。特に過去に一度も社史制作をされておらず、今回初めてという場合にはほとんどのお客様から同様のお尋ねを頂きますので、まずは定番ともいうべき資料の種類を知っていただき、こういうものを念頭に置いて取り組んでいただきたいと思います。以下に列挙します。

各種会議の議事録

 会社法で作成を義務づけられている「取締役会議事録」をはじめ、社内で行われた各種会議の議事録は、社史制作の5原則で述べた「社史とは経営史である」という観点から、社史編纂にあたっての根本的な資料となります。部外秘扱いのものについては簡単な議題リストだけでも用意するとよいでしょう。

営業報告書、有価証券報告書

 各期の業績や事跡、経営環境などが記録されており、上記の会議議事録と並んで社史編纂のための基本的な資料となります。

社内報

 「社内誌」とも言われます。グループ会社全体での「グループ誌」として作られている場合もあります。その時々の経営の課題や大きな出来事が取り上げられており、時代の空気が分かります。また、職場の雰囲気が詳しく紹介された記事などもあり、社史編纂のために非常に役に立つ資料です。

社内通達文書

 社内報を制作していない会社でも、社長の年頭訓辞などを社内文書として配布しているケースは多々あります。また、中長期計画の立案や進捗状況を示す文書、研修・社内教育に関わるもの、福利厚生関連情報など、総務関連文書は社史資料の宝庫ともいえます。

創業者などの功績調書

 叙勲など栄典授与にあたっては功績調書が作成されます。個人の業績として、会社の歩みがわかりやすくまとめられていることが多いので原稿作成に役立ちます。

PR誌、業界紙、マスコミ記事など

 PR誌が発行されていれば、発行当時における重点施策や経営方針をうかがい知る貴重な資料となります。また、マスコミに取り上げられた記事とか、業界紙における社長インタビュー記事、新製品紹介記事などは社史編纂に大いに活用できます。

製品カタログ、サービスガイドなど

 製造業であればこれまで作ってきた製品の特徴や技術背景をたどるためにカタログ類は有効な手がかりになりますし、サービス業であれば当時の具体的なニーズとそれへの対応の足跡を確認することができます。顧客を直接対象として書かれているものだけに、会社がどのようにして社会の役に立とうとしていたかが細かい所までうかがわれる資料です。

業界団体の記念誌、業界史、同業会社の社史など

 業界全体の歴史を知り、また時代時代の課題を知る上で基礎的な資料となります。

※その他、以前出された社史、経営者や古参社員の日記、日報、レター類、写真類、設計図などの専門文書、会社案内パンフレット、電話番号変更のお知らせハガキ、事務所移転の案内状から古い社用封筒にいたるまで、「歴史的価値」をもつ断片的資・史料の収集も、良い社史をつくるための大切な要件となります。
 また、一般的な基礎資料として、政治史、経済史、文化史、技術史、世相史、物価史、法制史などの参考図書を一通り揃えておきたいものです。