「創業から今日に至るまで、諸先輩方の苦労と努力、そして会社の発展の足跡をたどり、次世代を担う社員たちに継承し、これからの進むべき道標となる事」を目的とし、皆さんに手に取って読んでいただけるよう、客観的かつ読みやすく記述するという編集方針のもと、「社史編纂委員会」を設置し編纂作業に取り組み始めたのは2016年(平成28年)2月のことでした。
しかし、いざ作業を始めると、50年間に度重なった本社の移転や、時代々々の諸状況の変化で記録の散逸が甚だしく、資料不足で編纂作業は予想以上に困難をきわめることになりました。
せっかく作るこの50年史に、創業当初から今日にいたる貴重な写真や資料を是が非でも掲載したい——そう考えて、広く社内外に呼びかけたところ、必要なもの全てを網羅することはできませんでしたが、多くの方々から懐かしい写真や大切な資料をご提供いただくことができました。
また、私自身も、先輩諸兄をはじめとする多くの関係者の方々に取材をさせていただく中で、初めて知ったエピソードも数多く、会社の歴史を知る上で大変貴重な経験であり、今後の発展に向かって邁進していくための大きな財産となりました。
なにはともあれ、本誌がこうして発刊できましたのは、毎日の業務の中で時間を作りながら各々の役割を果たしてくれた編纂委員諸君の頑張り、そして上記のような欠落資料を補うための取材に快く応じてくださったOBの皆様のお力添えと、社内外の関係各位のご協力の賜物であったと思っております。
そして、相次ぐ追加取材の成果をもとに、第1次原稿から何次にもわたって原稿の加筆修整を重ね、また誌面企画やレイアウトの目まぐるしい変更にも、誠心誠意、最後まで柔軟、丁寧に対応し続けてくれた牧歌舎スタッフの仕事ぶりには、わが社の仕事と相通じるプロ根性を見ることができ、感銘を受けました。
数々の困難を社内外の関係者が力を合わせて乗り越え、ついに日の目を見た本誌が、過去と現在を繋ぎ、そして未来へも繋がっていくことを切に願っています。