自費出版-社史・記念誌、個人出版の牧歌舎

HOME > 社史編纂・記念誌制作 > 社史に学ぶ > 「社史は教科書」”

社史編纂・記念誌制作

社史に学ぶ

「社史は教科書」

 社史編纂の目的は何か、会社の歴史を記録に残すことである。

 社史は周年事業や周年記念で制作されることが多い。この場合、記念誌という名目であれば「社史入りの記念誌」となる。社史と記念誌の違い、その関係性は牧歌舎ホームページ「社史制作の5原則」に記載があるのでそちらをご覧いただきたい。

 社史(社史入りの記念誌を含む)は株主、顧客、取引先、従業員などいわゆるステークホルダーに贈られる。会社が長年にわたって続けてきた活動の意義を認識し、感慨を深める人がいる一方で、頁をさらっとめくったあとはどこかに置いたままの現実があることも否めない。会社の歴史を記す社史の使い道として残念な状況である。

 会社の歴史を記録に残した先には「学び知る」があると思う。私は会社員時代、人事の仕事に長く携わったが、自社の社史(50年史)を新卒社員研修のテキストにして我が社の歴史を学ばせた。もちろん、読むだけでは退屈な時間になってしまうのでファシリテーションを工夫した。社史に書かれた会社のこれまでの成功や失敗について、その時の経営判断、社員の行動や思いなどを皆で考え討議した。会社の過去を読み込み、会社の未来(自分たちの未来)を描いた。彼らは社史によって会社の時制を学び知り、入社したばかりの会社を「我が社」として捉えるようになった。

 もうひとつのエピソードとして、営業研修で取引先の社史をテキストにした。若手・中堅の営業マンたちは取引先の現在(いま)は知っていたが、過去は分からなかった。過去など必要と考えていなかったようだ。社史から知り得た取引先の経営史が彼らの営業活動しいては営業成績に直接貢献することはないが、学び知ったことが何かの機会に役立つはずと説いた。

 もし、社史が書棚に眠っているなら、あるいはこれから社史を制作されるなら、社内教育、社員教育に活用してみてはいかがだろうか。社史に学ぶ・その9はそのものずばり「社史は教科書」をお伝えしたかった。
 

 

ライター S.S.