記念誌・社史制作の手順 その1

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社史編纂・記念誌制作

記念誌・社史制作の手順 その1

(1)冷静に柔軟に企画立案

 通常のシンプルな年史であれば「手順」はごく常識的な「原稿執筆→編集→印刷」という考え方で事足ります。もちろん、誰が、どういう構想で、どういう資料を集め、どういう取材をしてまとめていくかという「手順」は考えなければなりませんが、それは「社史本文の構成法」を参照していただければよいかと思います。
 ここでは「記念誌・社史全体の構成法」の項目で考えた、「前付」や「後付」、「資料編」「特別企画ページ」などにいろいろな要素を含むものとしての「記念誌・社史」を制作することを念頭に置いての「手順」を解説していきます。
 その前に、まずは必要になるのが「内容企画」です。「企画」といえば少し漠然としたイメージを持たれるかもしれませんが、ここで言う「内容企画」は「メニュー」です。どういうメニューを、どういう順番で、どれほどの配分で、全体の中に盛り込むかを決めなければなりません。そのためのツールとして「企画用シート」があります。


記念誌・社史検討用シート
記念誌・社史検討用シート

 この検討用シートである程度イメージを固めたところで、「台割」という表を作成します。



「台割」に企画(メニュー)を落とし込み

 「台割」とは本来は印刷所で用いられる表で、どのページに何が入っているかを確認するための一覧表です。印刷は1枚の紙に4ページ、8ページ、16ページ、あるいは32ページを印刷して、それがまとまって一冊の本になります。A4判など大型本は普通は1枚の大きな紙(A全用紙)に8ページ分が印刷されます。つまり印刷機1台で一度に刷れるのが8ページなので、8ページを1台と呼ぶようになっているのです。印刷前後に、どこからどこまでを刷るか、刷ったか、ページ順が間違っていないかを常に確認できるようにした表が台割(または台割表)です。
 ですから印刷所にとっては確認用の表なのですが、本を作る立場からは全体の設計図になるものです。実物は下記のようなものです。


記念誌・社史の台割の例
社史制作スケジュール例

 台割はエクセルなどで作れると思いますし、親切な出版社や印刷会社などがWEBサイトでテンプレートを提供しているのでそれを利用してもよいでしょう。ここでは弊社の編集者の一人が使っているものをアップしましたので、よろしければお使いください。但しページ数がバラバラのようで、1台16ページのものばかりですので適当に改変していただければ幸いです。
 また、台割は当初作ったものが作業の進行とともに変化していくのが普通です。当初の企画が変わってメニューが入れ替わったり、各メニューのページ数が増減したりするからです。その都度新たな台割を作って、編纂メンバーが常に最新のものを共有するようにしましょう。



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