記念誌・社史制作の手順 その4

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社史編纂・記念誌制作

記念誌・社史制作の手順 その4

(4)寄稿は記念誌の命

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 記念誌・社史において、本文関連の執筆者のほかに記念メニューの執筆者を決めることになりますが、これは多くの場合において「寄稿」ということになります。「巻頭挨拶」は社長や会長からの寄稿であることは当然として、そのほかに考えられる寄稿の例は下記のようなものです。

●祝辞――取引先や業界団体の役職者など外部からの祝辞、退職者からの祝辞があります。以前は監督官庁など行政機関の役職者からの祝辞も見られましたが、最近はこれはほとんど行われていません。

●OB・OG寄稿――これは「祝辞」に属するものではありますが、在職時代の回想や社の将来への期待などを重点的に詳しく述べるもので、「在職時代の思い出」というようなタイトルになります。

●社員職員一言メッセージ――全社員職員あるいは有志が、○周年という記念すべき節目ににあたってどんな思いを持っているかを短く述べるものです。

●記念論文――上記のメッセージをさらに詳しくしたものを、テーマを掲げた論文として内部公募し、優秀作品を選んで掲載する企画です。

●社員職員意識調査(アンケート)――これは寄稿に準ずるもので、例えば「わが社を漢字一文字で表現すると何の字になるか」の問いに答える形で、各社員がその字と、それを選んだ理由を簡潔に述べたものを表にしたり、「わが社は色で言えば何色だと思うか」の答ををまとめて円グラフで表したり、「わが社を○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○な会社にしたい」の○ ○ ○ ○に自分の思いを書き込んだプラカードを社員一人一人が胸前に掲げた写真を掲載したりと、さまざまな工夫と趣向で楽しいページを作るものです。

 このように、記念誌・社史では寄稿が大きな役割を果たしますが、そうした寄稿の依頼には一工夫必要な場合があります。

 まず、依頼の時期ですが、社外の人に寄稿を依頼する場合は、十分な時間的余裕を依頼先に与えながらも、受け取りはなるべく制作作業の後期になるようにするのが一つのポイントです。祝辞原稿などをもらうのが早すぎると、本が1年後や2年後に完成することになると新鮮味がなくなりますし、またその間の事情の変化で書かれた内容を修整しなければならなくなることもあり得るからです。

 また、外部に祝辞などを頼む場合は、まずは面談や電話などでお願いして了承を頂いてから正式に文書で依頼するのが礼にかなっています。依頼文にはだいたいの文字数や、写真を載せる場合はどんな写真をもらいたいかをサンプルを付けて説明しておけば、何かの勘違いでもう一度もらい直す必要が生じることを防げます。

 さらに、多くの社員職員から上記のプラカードのような写真入りの原稿をもらう場合は、夏用と冬用の服装が混在したりしないように指定しておかねばなりません。

 このように、寄稿依頼にあたっては、万事遺漏なく、周到な手配をすることが大切です。

 ■ここでご留意いただきたいことが一つあります。それは、巻頭挨拶、祝辞、OB・OG寄稿などを、記念誌の定番メニューだからといって軽視するようなことが決してあってはならないということです。
 特に、年史が含まれない、あるい略史程度しかない記念誌にあっては、寄稿は命です。巻頭挨拶、祝辞、その他の寄稿は、形式主義に流れることなく、寄稿者の心の底からの思いがあふれるものとなるよう、制作担当者は人選、依頼の段階から工夫や働きかけを行わなければなりません。また、そうした熱心な働きかけがあってこそ、書く方も「意気に感じて」、力のこもったものを書こうとしてくれるものです。記念誌の寄稿は「特別なもの」であり「最重要なもの」であることを、寄稿者に対して強調し、執筆を依頼するようにしてください。こうした「熱のある」努力こそが、思いを心に刻む「価値ある記念誌」を実現させるのです。