お客様から、「社史に座談会を収録したい」という要望は少なくありません。そこで社史の中における座談会の立ち位置など、お伝えできればと思います。 もちろん社史の主役は、会社の歴史を文章でたどる「通史」の部分となりますが、座談会は名「脇役」を演じてくれます。なぜなら通史の内容は、客観的事実でなければならないのですが、会社の足跡を振り返るとき、OBさんや古参社員さんが語る「主観的事実」の中に、けっこう味わい深いものがあるものです。 懐旧談といってもいいのですが、たとえばOBさんたちに集まっていただき、「あのときは、ああだった」「こうだった」と語っていただく中に、若い社員さんたちにも参考になる貴重なエピソードが必ずあるのです。ただし、進行役が上手にハンドルを切らないと、平坦な思い出話に終わる可能性もあり、注意すべきポイントになります。 また懐旧談ばかりでなく、現役社員さんによる座談会は、現在と未来を語り合う場として、まったく別の持ち味を期待することができます。ただ現役社員さんの場合、「こんなこと言っていいだろうか」と、自分の気持ちにブレーキをかけがちなので、こちらも進行役の手腕が問われるところです。 弊社で座談会を企画する場合、テーマと人選についても助言申し上げ、司会係様を補佐する進行役も務めさせていただきます。また文章化する際も、いったんは録音をそのままテープ起こししますが、最終的にはテーマにそって読みやすい文章にまで仕立て直しをします。 社史制作をお考えであれば、ぜひ座談会という名脇役についても、ご相談いただければと思います。 (伊丹本社 企画編集担当 中野富生)