自費出版-社史・記念誌、個人出版の牧歌舎

エッセイ倶楽部

牧歌舎随々録(牧歌舎主人の古い日記より)

137. 昔の大人

 私が子供のころ、昭和20年代〜30年代の大人というものは、その辺の道を歩いていたりしても、たいていはしかめ面をしていたものである。屈託の空気が巷に色濃く流れていたのだ。また、今では笑いぐさにすぎない食事時の「ちゃぶ台返し」も現実一般のものであり、夫婦げんかで茶碗が飛ぶのはいわば普通のことだった。今ではそのような一般的屈託や食器を投げる習慣は消滅している。時代の変化、世相の変化というものは、じつはそんなところにあるのだが、もはやだれも覚えてはいない。歴史を知るということは、ことほど左様に難しいのである。

2000.07.18