NHKのニュースで東証平均株価と為替レートを毎日天気予報のように放送するようになったのは、いつごろからだったろうか。おそらくは1980年代に入って以後のことだったのではないかと思うが、そのころから日本人は際立ってマクロ経済に関心を払いはじめたように思う。高度成長の時代は終わり、モーレツ社員はいなくなり、いわゆるクリスタル時代、価値観が多様化し、生活スタイルへのこだわりが高唱され、グルメとかブランド志向とかが流行語となってきたような時代に入って、経済へのアクティブな関心が高まったのは、なにか日本人の意識のあり方の決定的な変化であったように思われる。