対等な関係は落ち着きが悪く、上下が定まった方が安定すると考える人は多い。これは権力志向であると同時に奴隷根性でもあって、この2つは同じものの裏表である。
上下関係があるのは落ち着きが悪い、対等な方が安定感があるというのが健全な精神というものである。
資本主義の世界では対等なビジネスが行われると錯覚されがちだが、決してそんなことはない。むしろ逆である。理論上は対等な売買であるにもかかわらず、売る側よりも買う側が上になるという矛盾が常にあるのが資本主義である。こういうところに長く住むと、いつか上下関係がなければ落ち着かないという感覚になってしまうのである。
2000.01.03