自費出版-社史・記念誌、個人出版の牧歌舎

エッセイ倶楽部

牧歌舎随々録(牧歌舎主人の古い日記より)

087. 節度について

 節度とは懐疑の所産である。どのような立派な思想も、矛盾に満ちた人間がこれを行う限り無理があるのであって、その無理を自覚することによって「節度」の観念が生まれることになる。立派な思想はけっこうだが、それを実行するときの人間的摩擦に敏感でなければ、それでもそれを実行するかどうかは別にして、真の解放への方向性として問題がある。

1999.06.16