自費出版-社史・記念誌、個人出版の牧歌舎

エッセイ倶楽部

牧歌舎随々録(牧歌舎主人の古い日記より)

091. 死は孤独であるか

 近しい人が亡くなると、我々はそれを悲しく思う。また亡くなった人を気の毒に思う。人が、孤独な死を死んだかのようについ思ってしまうのである。
 けれども、実際には、地上では1秒間に何十名何百名の人々が次々と亡くなっているのである。これは計算してみればわかる。たったの1秒間にさえ、人はともに死する人をそれだけ持つのである。
 人間はともに生まれともに生き、そしてともに死するのである。

1999.07.11